執行猶予3日(4)
そこからのカカシ先生の行動は早かった。
俺を担ぎ上げたかと思うと(もう逃げねえってのに)、そのまま寝室のドアを蹴り開けベッドに投げおとした。
「わぁ・・・!」
体勢を整えられる間もなく、アンダーに手をかけられ慌てた。
「自分で脱げます!」
「俺が脱がせた方が早い」
(そんな・・・!)
男らしく抱かれると決めたのに、その決意も虚しくカカシ先生は易々と俺を丸裸にした。かくし芸の如き早業だ。
そのまま自分の服も脱ぎ捨て圧し掛かってきた。
「あんたは何もしなくて良いよ」
「でも、俺だって・・・、って、ぅわ!」
いきなり胸を舐め上げられた。正確に言えば乳首を。普段は存在していることすら忘れている部位の皮膚の弱さに驚く。
ダイレクトに感じる舌の熱さに、すぐに体が追い上げられていくのがわかった。
まだ触られてもいない箇所に血が集まってくる。
(たったこれくらいで・・・!)
恥ずかしいやら情けないやら、とにかく焦る。せめてカカシ先生も勃ててくれれば、恥ずかしいのは俺だけではなくなるはずだ。
「カカシ先生、俺も・・・!」
圧し掛かる体を押し返し、なんとか下に手を伸ばそうとした。触ってしまえばこっちのもんだ。
だが触れる前に手はやんわりと押し返される。
「そんなことしなくて良い」
そんなことって何だよ。思わずムっとしてしまう。俺は触っちゃ駄目なのかよ?止められた手を再度進めようとした。
ふいに、熱い塊りに腿を刷り上げられた。
「今、あんたに触られたらヤバイ」
耳に息を吹き込まれるように言われ、容易く背はしなった。
だって、あた、あたってるし・・・!
俺が触るまでもない完全な起立状態のソレに、そろそろと手を元の位置に戻した。
ククッと、カカシ先生が喉の奥で笑う。腰を擦り付けられたまま、顔を覗きこまれた。
「触りたいなら、後で好きなだけ触らせてあげるから」
「ッ!!」
な、なんて答えていいかわからねえ・・・!!
「ね?」
普段は色のない頬を淡く染め、嬉しげに同意を求められてしまった。思わず怯みそうになる。
だが、カカシ先生の額にはうっすらと汗が滲んでいる。余裕ぶった口ぶりのくせに、その吐く息の荒さに気づかないわけにはいかなかった。俺よりもカカシ先生の方がよっぽど切羽詰っている。
それが解り、俺も開きかけた口をなんとか閉じた。どうも俺はカカシ先生に反抗癖がついている。
口を開けば何を言い出すか解らない。そのまま唇を噛み締めた頷いた。
途端に唇が顔中に降ってくる。
そのくすぐったさに目を閉じた。
「まさかこんな可愛いなんて・・・」
嘆息するようにカカシ先生が言う。
(は?)
何が?聞いたみたい気もしたが、口を開くわけにもいかない。
目を閉じたことで、皮膚を這う感覚がより鋭くなってしまった。忙しなく動き出した手の熱に翻弄される。
躊躇うことなく自身を握りこまれ、息が詰まった。
性急な指の動きにすぐに追い上げられる。快感だけを与えるような直接さに、体が重く痺れていく。
マズイ。
口を開けば悪態ではなく、悲鳴をあげそうだと思った。
それほど気持ち良い。
足先がシーツを引っかく。油断すれば腰が揺れそうだった。
その羞恥に首を振った。
競りあがる射精感が怖い。なのに、熱い指はそれを促すように先走りをすくい、そのまま意地悪く隠嚢を擽る。
「イって」
胸の突起を含んだままそんなことを言うもんだから、その吐息にすら感じてしまいビクビクと背が浮かせてしまう。
閉じた瞼裏がチカチカする。
(駄目だ・・・!)
先端の鈴口に爪を立てられ、その衝撃に喉を逸らせた。気持ちよいのか痛いのかわからない。強く唇を噛み締める。
ただ溢れるものを止めることは出来なかった。
(・・・こ、こんなはずでは・・・!)
思わぬ射精に半ば放心状態で己の不覚に歯噛みした。
(俺ばっかり気持ち良くてどうするよ・・・!!!)
乱れた息を整えながら、視線をさ迷わせた。カカシ先生にこの歯がゆさを伝えたかった。俺は男らしく抱かれたいんだ。
声こそ出さずに済んだが、今の俺はまるで男らしくない・・・、
「ッ!!」
ふいに、大きく足を割られた。
射精後の気だるさにうまく体に力が入るはずもなく、為すがままに自分でも見たことのない箇所を外気に晒される。
しかも容赦なくイッたばかりの自身を掴まれ、出したばかりの精液を塗りこまれた。
ショックで気を失いそうだった。
(そういえば風呂・・・!!)
しかも、今更ながら風呂に入って居ないことに気づいてしまった。俺はほぼ全力失踪でこの家まで来たのだ。洒落にならないくらい汗をかいたはずだ。
そんな体でこともあろうか俺はこの男に抱かれようとしていたのか。
気づいた事実に全身の血の気が引いていく。
震える指先を、俺の膝を容赦なくかっ開くカカシ先生へと伸ばした。とにかく一端中断して欲しい。
「ふ・・・ふふふふ・・・・」
風呂を貸してください、そう言いたいのに力も抜けてる上に血の気すら引いてしまってはうまく口がまわらない。
そんな俺にカカシ先生が少し不思議そうな顔をする。
「ん?イルカ先生ご機嫌?」
ちげーーよ!!!!
べつに笑ってるわけじゃねえ!!!
勘違いをする男をにらみつけると、捕まれたままの性器に俄か刺激を与えられた。過敏になっている体は容易くしなる。
風呂に入っていない負い目も加わり、羞恥に体が震えはじめた。
「さわらないでください・・・!」
風呂にすら入っていない体を見られ弄られていることが耐えられない。伸ばした指先で何とかカカシ先生の肩に触れた。
すぐに目を合わせられる。
「どうして?」
「俺、風呂に入ってなくて・・・、すいませ・・!汚れたままで・・・ッ」
息もキレギレになんとか口にした。
断続的な痺れが腰から這い上がってくる。カカシ先生は俺の制止を聞いてはくれない。どころか掌で包み込まれてしまう。まるで質にでもとられたかのような気がした。
「そのままで良い」
「でも・・・!」
「この状態であんたを手放せって言うの?」
からかうような声音でそんなことを言いながら、カカシ先生のが開いた足の間に体毎を滑り込ませてくる。しまった、これじゃ足を閉じることが出来ない。
そのまま腰を寄せられた。尻の間を濡れた切っ先をあてがわれる。
(え?・・・まさかこのまま・・・?)
見なくてもわかる、張り詰めた男のソレに背筋が冷える。
男同士のセックスとはこういうものなのか?
見上げると、カカシ先生がやはり困ったように笑っていた。
「カカシ先生・・・?」
「本当は、あんたが嫌なら止めてあげたい。風呂にだって入らせてあげたい」
尻の間に感じていた感触はすぐに離れた。とりあえずこのまま挿入されるわけではないらしい。安堵に息を吐くも、カカシ先生の眉根がギュっと寄せられた。
「でも、駄目」
言い切る男の口元にはもう笑いは浮かんでなかった。
「ッ・・・・!」
急に荒々しくなった手に全身を弄られる。熱い舌が顎を掬い、首から下に降りていく。制止の言葉を吐く暇もなく脇の付け根を舐め上げれた。
辛くて視界が霞がかる。羞恥に泣けてきそうだった。
(なんで、こんな・・・!)
急な変化の理由がわからない。それでも、さっきまでの男はあれでも優しかったのだと知る。
絶え間なく与えられる刺激に喉が仰け反る。快感とは違う、まるでチリと肌を焦がすような痛みだと思った。
胸の突起を食まれ、思わず声をあげそうになる。慌てて自分の口を手で塞いだ。
ついさっきの己の後悔を思い出す。
男らしくありたいと強く願った。ならば、この場で制止を懇願する事程その決意に背くものはない。
尻の間に男の指を宛がわれても、根性で耐えた。俺は男だ、忍者だ、耐え忍ぶ者だと念仏のように胸内で唱えながら。
今まで感じたことのない異物感にジワジワと侵食される。
羞恥よりも申し訳なさに、けれどそれらはすぐに痛みに変わった。
痛みに全身の力が奪われていく。開かされた足に男の視線が集中しているとわかっても、隠そうと閉じる足先はシーツを擦るだけだ。
指が増えていく度に痛みが倍増していく。
どれだけの間その痛みに苛まれていたのかわからない。目を開いても視界はぼんやりと白い。
自分が何処にいるのか何をされているのかわからなくなりそうだ。
それでも、切なげに名前を呼ばれる。
イルカ、イルカ、と。
その声に呼び戻される。
視界を探れば切ない瞳とかち合った。
縋る場所が欲しくて手を伸ばせば、すぐにその手を捕らえられる。さっきみたいに引っ張り、抱きしめて欲しかった。
それでも男は俺の手を一度だけギュっと握り、指先に小さなキスを落としただけだった。
離れていく男の体に焦る。追いかけようと肩を浮かせるも、すぐにシーツに押し戻された。
ひどく悲しい気持ちになった。
ふいに、これは罰かもしれないと思った。この痛みも悲しみも、男を傷つけた俺への罰だ。
求められる痛みは償いなのかもしれない。
「・・・あぅ・・・っ」
だが、そんな思考は強制的に寸断された。
痛む場所を容赦なく杭で打たれたようだ。
息すら塞き止められる衝撃に、男がはいってきたのだとわかる。
いつのまに指を抜かれていたのか、麻痺した腰では感じることは出来なかった。
それでも新たな痛みは鮮烈で、耐え切れず涙が流れた。
荒い息が部屋に響いている。男もまた苦しいのだろう。当たり前だ。この堅い体は同性を悦ばせるようには出来ていない。
呻く声に胸が締め付けられる。
浅い息を繰り返しながら、首を振った。少しでも痛みが散ってくれれば良い、その一心で。
「ごめん。辛いね」
けれど、その仕草は男を勘違いさせてしまったらしい。苦しそうな声音で謝られる。
慌てて男と視線を合わせた
「・・・んなこと、ありません・・・っ」
確かに痛いし、それを与えているのはカカシ先生だ。だからと言って、嫌なことなどあるものか。
力のほとんどはいらない腕を上げた。さっきは期待通りのものをくれなかった男へまっすぐ伸ばす。
必要なのは謝罪ではない。
「・・・カカシせんせ、キスを・・・」
欲しいのはその唇だ。
懸命に強請れば、息も吐けぬほど抱きしめられた。強く。
ようやく与えられた男の腕に安堵する。首筋に鼻を寄せれば、更に強くかき抱かれた。
それからキスを与えてくれた。啄ばむように何度も何度も。
普段の辛辣さが微塵も伺えない。甘やかすようなその仕草に、下半身の痛みは遠くなる。
それでも、胸の痛みはまだ止まない。
切なげに揺れる瞳に煽られていく一方だった。
いつのまに行為が終わっていたのかわからなかった。
気がつけばカカシ先生に横抱きに締め付けられていた。
(あれ?)
ハタと気付けば、あのガンガンと割れ鐘の響くような痛みがない。
「気がついた?」
思ったよりもずっと近くでカカシ先生の声がする。視線だけでそちらを向けばいつもの無表情のカカシ先生と目があった。
なんとなく気恥ずかしく視線をツイと逸らす。ついでにモゾモゾと体を動かそうとするも、首から上以外は全く自由はなかった。
抱きしめられているというより寝技をかけられてるみたいだ。
「あの・・・俺、もしかして気を失ってましたか?」
「まあね」
素っ気無い返事がなんとなく懐かしい気がする。さっきは優しいとまで思ったのに、今はまるで涼しげだ。
「どこから・・・?」
「さあ?あんた、途中からほとんど意識飛ばしてたみたいだし」
(・・・・一応、夢じゃないんだな)
カカシ先生の返答にあの痛みが現実だとわかった。
「水をとってくる」
全身の拘束は一瞬強まったような気がしたが、すぐに離れていった。
ベッドを降り、ズボンだけ身につけた後ろ姿をぼんやり見送った。そういや、あの人今下着履かなかったな。
(ノーパンか・・・)
どうもまだ覚醒しきれてないらしい。そんな突っ込みを心中でいれながら一人きりのベッドに寝返りを打った。
まだシーツは生暖かい。
先ほどまで行われていた情事を思い出し、頬に血が昇る。ついでに尻も鈍く痛んだ。
「何だったんだ」
誰に聞かせるわけでもないが声をだす。そうしなければ気恥ずかしさに飲まれそうだ。
この二日、考えすぎて頭がパンクするかと思った。
男に抱かれることには抵抗が・・・というか恐怖があれほどあったというのに、終わってみれば不思議と心穏やかだ。
カカシ先生も随分と落ち着いた様子だった。
・・・さっきまではあんなに切羽詰まっていたくせに。
男の生理として出すもの出せば納まるというのはわかるが・・・あの情熱的な求愛と今の涼しげな態度の落差に首を傾げてしまう。
何か釈然としない。
そもそもカカシ先生があんなことを言い出した理由がわからない。
好意を寄せられているのは十分承知しているが・・・やはり二日前のアレはあまりに突発的な気がする。
退院してからなんだよな・・・。
何かきっかけになるようなことでもあったのか、そこまで考えて、ん?と思い当たった。
そうだよ、あの人入院してたんだよ!
もしかして、めちゃくちゃ溜まってたんじゃないのか・・・・?!
入院期間は2週間、溜まるには十分な期間だ。いきなり誰が入ってくるからわからない病室で一人するわけにもいかないだろうし・・・!!
(そんな・・・!!)
ちょっと酷いと思う。人間として・・・いや男としてどうなんだそれは・・・。
「ねえ」
「わぁ!」
俺が考えに没頭しているといきなり水のはいったコップを差し出された。いつのまに部屋に戻っていたんだ。
(出たな人でなし)
コップを受け取りながらしげしげとカカシ先生を見る。カカシ先生は俺にコップを渡すとベッド脇に腰をかけまたズボンを脱いでいる。
せっかく履いたのに何で脱ぐんだ。ノーパンだったのはそのためか、など考えていたら急にカカシ先生がピクリと肩を揺らした。
弾かれたように俺を向く。
「あんた、今何を考えた?!」
「え・・・?べ、つに何も・・・」
急な問いに驚いた。しかも声が詰問するような鋭さだ。
「嘘だ。おかしなこと考えてる気がする」
何で悪態吐いたのがバレてるんだ。声に出した覚えはないし、何よりカカシ先生は後ろを向いていたはずだ。
「み・・・水ありがとうございますね!ああ、美味しいなあ!」
とりあえず手にある水を煽った。なんとなくバツが悪くそのまま布団にもぐる。
「言いな。今あんたが考えたことを全部」
カカシ先生も俺に続く。布団越しではあるが後ろから羽交い絞めにされた。その気配は明らかに怒っている。
「ノ・・・ノーパンだなあ、って」
「それと?」
「いえ、それだけ・・・グァ!!」
誤魔化そうとするもポイントを点いて締め付けられる。このままじゃ酸欠になりそうだし全身の骨が軋むしで、俺も観念して口を開いた。
「何で・・・急にあんなこと言い出したのか。二日前のカカシ先生、なんか様子おかしかったですし・・・」
シドロモドロになりつつ答えると若干締め付けが弱まった。
「考えたら、もしかしてカカシ先生、入院してたんで溜まってたのかなーって・・・」
言い終わらない内に布団をひっぺがされる。
真実だろうがそうじゃなかろうが、怒ることは予想していた。それでも、言わずにいられなかったのはやはり俺も腹が立っているからかもしれない。
「バカ」
正面きって罵られてしまった。
だが、予想に反して怒った口ぶりではなかった。無表情に「バカ」と言われる。
「違うんですか?」
質問にカカシ先生は答えず俺を頭から抱きこんだ。ついでに上から布団を被る。
「もう寝なよ。あんたも疲れてるでしょ」
「カカシ先生!」
「俺は眠いんだ」
「俺にだけ言わせといてそれはあんまりです」
怒ってるって思ったから・・・いやむしろ怒らせてみようかぐらいの心持だったのにさー。
「勇気を出して言ったのに」
ブチブチ文句を言うも、カカシ先生の呼吸は徐々に緩くなってくる。
本当に眠いのかもしれない。
「・・・教えてくれなきゃわかりませんよー」
カカシ先生は何も言わない。心臓の音だけが規則的に打つのをカカシ先生の胸越しに聞いた。
俺は全然眠くないのでその音だけを聞いていた。
「・・・あの日、紅と話してるあんたを見てとんでもなく嫌な気持ちがした」
「えっ?」
唐突にカカシ先生が話し始めた。
あの日?紅先生?・・・あの受付でのことか?
(カカシ先生の退院祝いの話を確かにしたけど)
寝ていると思ったので不意を点かれてた。反射的に見上げようとすれば拘束する腕の力は強まり胸に頭を押し戻される。
「イルカ先生が恋人になってくれて嬉しい。あんたに振られてる最中は、付き合えるだけで十分だと思ってた」
体越しに聞く声はいつもの声とは違って聞こえる。
深い、体の奥から響くような音だ。
「それなのに、いざそうなっても全然駄目だ。苦しい。あんたが好きだと言ってくれてもキスをしても、ずっと苦しいままだ。
もっと欲しくなる。これじゃ片想いの時より酷いよ」
俺は何を答えていいかわからなかった。
「イルカ先生、俺以外にはすごく素直なんだよね。ニコニコ笑って相槌打って。俺には滅多にそんな顔してくれないのに。
あの日も、紅と嬉しそうに話すあんた見て不安になった。あのまま掻っ攫われたらと考えるだけで怖かった。あんたとの間に
誰よりも深いつながりが欲しい。あんたと抱き合うことが出来たら、少しはこの痛みも治まるかもしれない」
何も答えることが出来ないまま、カカシ先生の胸に額を寄せた。
本当は頭突きでもかましたい心境だった。呟かれる本音に胸はやはり軋む。
「・・・俺は、カカシ先生の恋人のつもりです」
「ん。そうだね」
「今は・・・大丈夫ですか?少しは治まりましたか・・・?」
抱かれることで、俺なりの決意はわかってくれただろうか。
何を置いても恋しい男に体を捧げるこの行為は、その痛みを和らげることができただろうか。
けれど、カカシ先生はそれ以上何も言わなかった。
しばらく待っていたが、規則的な呼吸音に寝入ったのだと気付く。
その音に耳を寄せながら、ぼんやりと考えた。
情事の最中、男の与える痛みは罰だと思った。
逃げてばかりで男を傷つけた罰だと。
けれど、カカシ先生もまた苦しんでいる。痛がっている。
ならば、この痛みは恋かもしれない。
困った、それでは癒えることはないでないか。
カカシ先生も俺もこの痛みをずっと抱える羽目になる。
(どうしようもねーなー・・・)
とりあえず眠ろうと目を瞑った。
明日も多分大変だろう。体力を温存しておかなければ。
いつまでも続く、その痛みに負けないように。
(完)
web拍手掲載期間 2007.7.15〜2008.7.22
戻
小説TOP |